2020/01/18

展望台から見る聖書 第六回 預言書(イザヤ書~マラキ書)


 イスラエルの民に神の御言葉を取り次ぎ、伝道者として語ったのが預言者でした。預言者自身は普通の人間と異なりませんでしたが(ヤコブ5:17)、預言者自身の意志からではなく、聖霊により神の御言葉を語りました(第二ペテロ1:21)。ですから、預言者は自分が語った言葉を完全に理解していた訳ではありません(第一ペテロ1:10,11)。
 同じく神に仕えた祭司は、律法の定めに従って宗教儀式を守り行いましたが、しばしばその内実の宗教の生命を失いがちでした。預言者は神からの預言の言葉を語ることにより、形式のみの宗教に火を投じ、その固い殻を金槌で打ち壊す役割を果たしました(エレミヤ23:29)。
 預言者は過去、現在、未来にわたって語っています。過去については、イスラエルの先祖たちに与えられた救いの約束の成就を語っています(ミカ7:20)。現在については、当代の人々に効き目のある言葉、すなわち律法に基づいて彼らの罪を指摘しました(ホセア6:6)。未来については、救いが将来に実現することを語っています(イザヤ9:6,7)。

参考図書:マイヤー・パールマン著『展望台から見る聖書』福音出版社