2021/10/31

聖書の植物~ザクロ

 「そのすそには青糸、紫糸、緋糸で、
ざくろを作り、そのすその周囲につけ…」
(出エジプト28章33節)

 ザクロはトルコ原産の果樹で、日本には平安時代に渡ってきました。イスラエルには「エンリンモン」(ザクロの泉)という地名があり(ネヘミヤ11章29節)、古くから花と実の美しさが好まれてきました。熟した実の中からのぞく宝石のような種は多産の象徴と考えられて、様々なデザインの原案となりました。
 神と人の仲介者である祭司の衣装にも、栄えと麗しきの象徴としてザクロのデザインが編み込まれました(出エジプト28章2節)。

(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)

2021/10/25

2021年10月31日の聖書日課

(写真:クリ)
マルコ7:14-23
 7:14 それから、イエスは再び群衆を呼び寄せて言われた、「あなたがたはみんな、わたしの言うことを聞いて悟るがよい。
 7:15 すべて外から人の中にはいって、人をけがしうるものはない。かえって、人の中から出てくるものが、人をけがすのである。
 7:16 聞く耳のある者は聞くがよい」。
 7:17 イエスが群衆を離れて家にはいられると、弟子たちはこの譬について尋ねた。
 7:18 すると、言われた、「あなたがたも、そんなに鈍いのか。すべて、外から人の中にはいって来るものは、人を汚し得ないことが、わからないのか。
 7:19 それは人の心の中にはいるのではなく、腹の中にはいり、そして、外に出て行くだけである」。イエスはこのように、どんな食物でもきよいものとされた。
 7:20 さらに言われた、「人から出て来るもの、それが人をけがすのである。
 7:21 すなわち内部から、人の心の中から、悪い思いが出て来る。不品行、盗み、殺人、
 7:22 姦淫、貪欲、邪悪、欺き、好色、妬み、誹り、高慢、愚痴。 7:23これらの悪はすべて内部から出てきて、人をけがすのである」。

(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)
 

2021/10/24

聖書の植物~リンゴ

(写真:ヒメリンゴ)

 「おりにかなって語る言葉は、
銀の彫り物に金のりんごをはめたようだ。」
(箴言25章11節)


 リンゴは原産地の中央アジアから東西へ渡っていきました。古代から美しい花色と香り高い実が愛好されてきましたが、当時は接ぎ木などの技術が発達しておらず、実はヒメリンゴほどの大きさしかありませんでした。ヘブル語では「タップア」といい、イスラエルでも地名に残るように知られていた果樹でした(ヨシュア12章17節)。
 聖書はしばしば言葉についての教訓を語っており、良い言葉は芳しい香りを放つリンゴにたとえられています。

(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)

2021/10/18

2021年10月24日の聖書日課

(写真:ニラ)
 黙示録4:1-11
 4:1 その後、わたしが見ていると、見よ、開いた門が天にあった。そして、さきにラッパのような声でわたしに呼びかけるのを聞いた初めの声が、「ここに上ってきなさい。そうしたら、これから後に起るべきことを、見せてあげよう」と言った。
 4:2 すると、たちまち、わたしは御霊に感じた。見よ、御座が天に設けられており、その御座にいますかたがあった。
 4:3 その座にいますかたは、碧玉や赤めのうのように見え、また、御座のまわりには、緑玉のように見えるにじが現れていた。
 4:4 また、御座のまわりには二十四の座があって、二十四人の長老が白い衣を身にまとい、頭に金の冠をかぶって、それらの座についていた。
 4:5 御座からは、いなずまと、もろもろの声と、雷鳴とが、発していた。また、七つのともし火が、御座の前で燃えていた。これらは、神の七つの霊である。
 4:6 御座の前は、水晶に似たガラスの海のようであった。御座のそば近くそのまわりには、四つの生き物がいたが、その前にも後にも、一面に目がついていた。
 4:7 第一の生き物はししのようであり、第二の生き物は雄牛のようであり、第三の生き物は人のような顔をしており、第四の生き物は飛ぶわしのようであった。
 4:8 この四つの生き物には、それぞれ六つの翼があり、その翼のまわりも内側も目で満ちていた。そして、昼も夜も、絶え間なくこう叫びつづけていた、
「聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな、
全能者にして主なる神。
昔いまし、今いまし、やがてきたるべき者」。
 4:9 これらの生き物が、御座にいまし、かつ、世々限りなく生きておられるかたに、栄光とほまれとを帰し、また、感謝をささげている時、
 4:10 二十四人の長老は、御座にいますかたのみまえにひれ伏し、世々限りなく生きておられるかたを拝み、彼らの冠を御座のまえに、投げ出して言った、
 4:11 「われらの主なる神よ、
あなたこそは、
栄光とほまれと力とを受けるにふさわしいかた。
あなたは万物を造られました。
御旨によって、万物は存在し、
また造られたのであります」。

(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)

2021/10/17

聖書の植物~ナツメヤシ

「初めの日に、美しい木の実と、なつめやしの枝
…を取って、七日の間あなたがたの神、
主の前に楽しまなければならない。」
(レビ23章40節)

 ナツメヤシはイスラエルの南方、北アフリカやペルシャ湾沿岸地域に自生するヤシの一種です。実(デーツ)や樹液が甘く、枝(実は葉)が編み細工に利用されるなど、中東では古代より好まれた植物です。砂漠のオアシスに群生しますが(出エジプト15章27節)、日本などの北方地域では育たず、ナツメヤシの枝を用いるべき「枝の主日」(ヨハネ12章13節)ではシュロが代用されます。
 イスラエルの秋の祭りである「仮庵の祭り」でもナツメヤシの枝が用いられ、神の民の繁栄を象徴する植物です(詩篇92篇12節)。 

(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)

 

2021/10/11

2021年10月17日の聖書日課

(写真:ケイトウ)

イザヤ33:17-22
 33:17 あなたの目は麗しく飾った王を見、
遠く広い国を見る。
 33:18 あなたの心はかの恐ろしかった事を思い出す。
「数を調べた者はどこにいるか。
みつぎを量った者はどこにいるか。
やぐらを数えた者はどこにいるか」。
 33:19 あなたはもはや高慢な民を見ない。
かの民の言葉はあいまいで、聞きとりがたく、
その舌はどもって、悟りがたい。
 33:20 定めの祭の町シオンを見よ。
あなたの目は平和なすまい、
移されることのない幕屋エルサレムを見る。
その杭はとこしえに抜かれず、
その綱は、ひとすじも断たれることはない。
 33:21 主は威厳をもってかしこにいまし、
われわれのために広い川と流れのある所となり、
その中には、こぐ舟も入らず、
大きな船も過ぎることはない。
 33:22 主はわれわれのさばき主、
主はわれわれのつかさ、
主はわれわれの王であって、われわれを救われる。

(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)

2021/10/10

聖書の植物~タマリスク


 「アブラハムはベエル・シェバに
一本のタマリスクの木を植え、そこで永遠の神、
主の御名を呼び求めた。」(創世記21章33節) 

  タマリスクは乾燥と塩分に強い木であり、乾燥地帯の水辺近くに育ちます。針のような細い葉、一年に数回咲くピンクの小さな花のため、涼しげな印象を受けます。日本には江戸時代に観賞用として中国から渡来しました。日本語名はギョリュウ(御柳)と言います。
 イスラエルでは砂漠に緑と木陰をもたらすため、盛んに植林されました。タマリスクは大切な契約の印、記念樹としても植えられ、大きく育ってその土地の目印ともなりました(第一サムエル31章13節)。

(新日本聖書刊行会『聖書 新改訳2017』2017年版)

2021/10/04

2021年10月10日の聖書日課

(写真:シュウメイギク)
マタイ22:15-22
 22:15 そのときパリサイ人たちがきて、どうかしてイエスを言葉のわなにかけようと、相談をした。
 22:16 そして、彼らの弟子を、ヘロデ党の者たちと共に、イエスのもとにつかわして言わせた、「先生、わたしたちはあなたが真実なかたであって、真理に基いて神の道を教え、また、人に分け隔てをしないで、だれをもはばかられないことを知っています。
 22:17 それで、あなたはどう思われますか、答えてください。カイザルに税金を納めてよいでしょうか、いけないでしょうか」。
 22:18 イエスは彼らの悪意を知って言われた、「偽善者たちよ、なぜわたしをためそうとするのか。
 22:19 税に納める貨幣を見せなさい」。彼らはデナリ一つを持ってきた。
 22:20 そこでイエスは言われた、「これは、だれの肖像、だれの記号か」。
 22:21 彼らは「カイザルのです」と答えた。するとイエスは言われた、「それでは、カイザルのものはカイザルに、神のものは神に返しなさい」。
 22:22 彼らはこれを聞いて驚嘆し、イエスを残して立ち去った。

(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)

2021/10/03

聖書の植物~ワタ

「そこには白綿布の垂幕と青色のとばりとがあって、
紫色の細布のひもで銀の輪および大理石の柱に
つながれていた。」(エステル1章6節)

 ワタはインド、メキシコ等の熱帯地域の原産で、種の表面から生じる綿毛が綿布の素材となり、種そのものからも食用油が採れます。衣服に亜麻布を用いていた古代イスラエル人は、東方の国から輸入された綿布の軽さ、柔らかさに驚きました。
 旧約聖書のエステル記は、イスラエルの東方、アケメネス朝ペルシャ帝国で活躍したエステルたちユダヤ人の物語です。白綿布等の異国の王宮の豪華絢爛さの影で、ユダヤ人の信仰と神の見えざる御手のわざを垣間見ることができます。

(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)