詩篇133篇ダビデがよんだ都もうでの歌133:1 見よ、兄弟が和合して共におるのはいかに麗しく楽しいことであろう。133:2 それはこうべに注がれた尊い油がひげに流れ、アロンのひげに流れ、その衣のえりにまで流れくだるようだ。133:3 またヘルモンの露がシオンの山に下るようだ。これは主がかしこに祝福を命じ、とこしえに命を与えられたからである。
詩篇133篇は「都もうでの歌」、すなわちエルサレムの神殿に向けての巡礼の歌です。
一見すると喜びに満ちているこの詩篇は、実は深い悲しみも入っています。特に、バビロン捕囚という苦難を経験したイスラエルの人々は、七十年間の苦難を過ごして国に帰り、神殿を再建して、礼拝を再開させることができました。捕囚で十二部族がバラバラになった後、主は再び神殿礼拝を回復させ、散らされた民が再び一つになって礼拝できた、そのような深い喜びがあります。一つになって礼拝できることは当然ではなく、特別なこと、神の奇跡である、という思いが込められています。
一つになって礼拝するところに、豊かな神様からの恵みが流れてくる、とも歌われています。大祭司アロンが任職の際に油を注がれ、そのひげに油が流れくだるように、大祭司を経て神の民全体に神の恵み、聖霊の油注ぎが下ることを教えています。
「さて、わたしたちには、もろもろの天をとおって行かれた大祭司なる神の子イエスがいますのであるから、わたしたちの告白する信仰をかたく守ろうではないか。」(ヘブル4:14)
(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)