2020/01/18

展望台から見る聖書 第四回 歴史書(ヨシュア記~エステル記)


 神は全人類を救う使命を担わせるため、イスラエルを長い年月をかけて整えられました。イスラエルの歴史は召集(孤立)と派遣(離散)の二つの時代に分けることができます。
 ヨシュア記の時代からソロモン王の時代(第一列王記10章)までは召集の時代です。イスラエルは神の恵みにより国土を与えられ、律法によって教育され、預言者が語った預言によって救いの希望を与えられました。その過程でイスラエルは他の民族からは区別され、孤立していきました。
 ソロモン王の時代(第一列王記11章)からバビロン捕囚の時代(エズラ記~エステル記)までは派遣の時代です。イスラエルは神の御前に悪とされることを行った結果、国家としての力を徐々に失い、度々他国に攻められて敗北し、民が捕囚となって離散していきました。しかし、異教世界に置かれたイスラエルの民はその土地で神に立ち返り、異教徒に福音を伝える世界宣教の端が開かれました。彼らはその土地で現在の教会の前身にあたる会堂(シナゴーグ)に集まり礼拝しました。その後、神の預言の約束通り(ダニエル9:2)イスラエルの民は帰還を果たし、偶像礼拝を捨てて神殿礼拝を回復しました。帰還した民は律法に従って生活することを志し、律法を教える祭司が支配的な立場を占めるようになりました。

参考図書:マイヤー・パールマン著『展望台から見る聖書』福音出版社