2019/07/28

神と親しく交わる神学 第六回 聖餐の意義と取扱い


 聖餐式の具体的な取扱い方法は、教会により大きな違いがあります。今回、次回と聖餐式の本質的な意義を確認しつつ、志村キリスト教会での実際の取扱いに即して聖餐の恵みを分かち合いたいと思います。
 聖餐式は、キリストが十字架にかかられる前夜の「最後の晩餐」で、キリストご自身により制定されました(ルカ22:15-20)。今日の聖餐式でもキリストが行われ、語られたことに倣って儀式を行います。
 最初の聖餐式が行われたのは、旧約の律法に定められた「過越の祭り」の最中でした。過越の祭りは、イスラエル人がモーセに導かれてエジプトを脱出した「出エジプト」を記念する祭りです(出エジプト12:14)。今日の聖餐式は、キリストによる救いを記念する新約の過越の祭りとして行われます。
 イスラエル人が過越の祭りを忘れることなく毎年行っているのと同様(詩篇103:2)、志村キリスト教会では原則一か月に一回、洗礼を受けたクリスチャンが受けるものとして、日曜日の主日礼拝の中で行っています。
 また、聖餐式は私たちが過去に受けた救いの体験を記念すると同時に、将来受ける天のキリストの食卓を示しています(ルカ22:30)。キリストから受けた救いの体験を一つ一つ思い出すとともに、キリストご自身が約束された将来の恵みの数々に期待し、それらの祝福を味わいつつ聖餐式に与りましょう。

参考図書:スプロール「聖餐とは何か」いのちのことば社、2017年

2019/07/17

神と親しく交わる神学 第五回 洗礼を受ける恵み


 洗礼の儀式はキリスト教以前のユダヤ人の風習から始まりました。その儀式をバプテスマのヨハネが用いて、罪からの決別(悔い改め)の決意表明の儀式として人々に授けました(マタイ3:11)。キリストご自身もクリスチャンが従うべき模範を示すためにヨハネより洗礼を受けました(マタイ3:13-17)。
 また洗礼は、父・子・聖霊の、三位一体の神の名によって行われる(マタイ28:19)、「キリストの割礼」です(コロサイ2:11)。その意味は、洗礼は三位一体の神ご自身が権威をもって授けられるものであり、旧約の契約のしるしである割礼と同様、はっきりと目に見える形で行われる、キリストの新しい契約(新約)であるということです。
 キリストの契約が約束しているもの、すなわち神から授けられる天からの恵みは、次の事を含みます。すなわち、罪に対する死と神に対する生(コロサイ2:12)、神との結合(ローマ11:17-18)、心の新生(エペソ2:4-6)、キリストと共に歩む新しい生活(ガラテヤ2:20)を示しています。
 信仰を抱いて洗礼を受けたクリスチャンに約束されている神の恵みの数々を、今日、神は洗礼という儀式によって保証しておられます(ローマ4:11)。感謝をもって洗礼を受け、神の恵みを余すことなく受け取る者として信仰生活を歩んでまいりましょう。

参考図書:スプロール「洗礼とは何か」いのちのことば社、2016年