出エジプト記33章11節をお読みします。
人がその友と語るように、主はモーセと顔を合わせて語られた。
聖書の神は、人が顔を合わせるように直接見ることはできません(出エジプト33章20節)。そのため、モーセの十戒も神の像を造ることを禁じています(出エジプト20章4節)。しかし、イスラエルの救世主として選ばれ、神の特別な恵みを得ていたモーセは(出エジプト33章12節)、神と顔を合わせて語ったと言われています。
この「神と顔を合わせて語った」という意味は、モーセが友達と語らうように、神の話を聞き、神に話を聞いてもらった、ということです。その結果、モーセが願い求めたことを神は聞かれ、モーセを通して偉大な奇跡が行われました。
モーセは必ずしも欠点のない人物ではありませんでした。イスラエルを救いたいと願うあまり人殺しまで犯し、エジプトの王に命を狙われる身となった者でした(出エジプト2章)。ただし、モーセは自分の欠点を認め、神の救いにすがる者でした。それだからこそ、モーセは自分を犠牲にしてでも、同じ弱さを抱えるイスラエルをかばう祈りをしました(出エジプト32章32節)。
私たちもモーセにならって、神に聞き届けられる祈りをしたいものです。そのためには、自分の願いだけではなく、神が何を願われるのか、神の御心にかなう良い願いを持つことが必要です。聖書に学び、神の御心について知る者となりたいと思います。
お祈りいたしましょう。
天の父なる神様。あなたはモーセの祈りを聞かれ、神の御力による大きな奇跡を行われました。私たちもモーセの謙遜にならいつつ、神の御心にかなった願いを持つ者となることができますように。
イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。
(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)