旧約聖書の最初、創世記から始められた救いの計画は、新約聖書の最後、ヨハネの黙示録で完成します。
黙示録は、使徒ヨハネが迫害により流刑とされたパトモスという島で見た神の幻を記録したものです(黙示録1:9)。当時の世界はローマ帝国の支配下にあり、多くのクリスチャンがヨハネと同様、厳しい迫害を受けていました。黙示録はこれらのクリスチャンたちに宛てて書かれました。その内容は、キリストがありとあらゆる反対を押しのけて最終的な勝利を得る(黙示録1:7)ことを示すものであり、クリスチャンたちに励ましを与えるものでした。
黙示録の性質をいくつか挙げることができます。①力の書:見えない世界の力が示され、神は御国のために諸勢力を治められる。②御座の書:天の御座が示され、神がまことの支配者であられ、神に従う者に支配が任される。③冠の書:王の王であるキリストの冠が示され、キリストに従う者に冠が与えられる。④戦いの書:終わりの時代にキリストと反キリストとの戦いがある。⑤勝利の書:キリストは最後の戦いに勝利を収められる。⑥救いの書:神の救いの計画の中心としてほふられた小羊(キリスト)が示され、聖徒は小羊の血によってあがなわれ、救いの勝利を得る。
参考図書:マイヤー・パールマン著『展望台から見る聖書』福音出版社