イザヤ40章26節をお読みします。
目を高くあげて、だれが、これらのものを創造したかを見よ。主は数をしらべて万軍をひきいだし、おのおのをその名で呼ばれる。その勢いの大いなるにより、またその力の強きがゆえに、一つも欠けることはない。
今回は聖書に記された神の言葉から、新しい一年に向かっての新しい展望を見てみたいと思います。
まず第一に、聖書は「目を高くあげて、見よ」と語っています。物事をできるだけ広い立場から、遠くに至るまで見てみましょう。それは大自然であっても、世界のあらゆる人間社会であっても、注意深く見てみるなら、最初に見えていたものとは別のものが見えてくるかもしれません。
第二に聖書は、「これらのものを創造した者を見よ」と語っています。一つの物事だけに集中するのではなく、物事の原因となるものやその他の物事との関係などを見定めるなら、さらに深く物事の本質が見えてくるはずです。
第三に聖書は、「神はおのおのをその名で呼ばれる」と語っています。聖書の神は創造の神であると、聖書は一貫して語っています(創世記1章1節、ローマ1章25節)。しかし、神は創造するだけではなく、物事の本質を正しい言い表すように「名前」を呼んで、神からの働きかけも行われます。同じように、私たち個々人をも知っていて、私たちが祈りの声を上げるなら、その祈りを聞かれるお方です。
物事の本質を知る時、良い面だけでなく悪い面も見ることになるでしょう。また全く知らない、新しい物事に対して躊躇する気持ちも生まれてくるかもしれません。その時、「おのおのをその名で呼ばれる」神に信頼し、神の力に身を任せられることは幸いな事です。
神の手に握られる幸いを求めて、ご一緒にお祈りいたしましょう。
天の父なる神さま。新年を迎えて、新しい事に対する期待と不安が混じるこの頃です。すべてのことを知っておられる神様に信頼しつつ、新しい歩みを踏み出させてください。
イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。
(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)