107:10 暗黒と深いやみの中にいる者、苦しみと、くろがねに縛られた者、107:11 彼らは神の言葉にそむき、いと高き者の勧めを軽んじたので、107:12 主は重い労働をもって彼らの心を低くされた。彼らはつまずき倒れても、助ける者がなかった。107:13 彼らはその悩みのうちに主に呼ばわったので、主は彼らをその悩みから救い、107:14 暗黒と深いやみから彼らを導き出して、そのかせをこわされた。107:15 どうか、彼らが主のいつくしみと、人の子らになされたくすしきみわざとのために、主に感謝するように。107:16 主は青銅のとびらをこわし、鉄の貫の木を断ち切られたからである。
詩篇107篇は「主のいつくしみ」(詩篇107:1,43)に囲まれた賛美歌です。主のいつくしみは、救いを求めて主に呼ばわる者に注がれます(:13)。主は「もろもろの国」の「東、西、北、南」に住む人々にいつくしみを注がれます(詩篇107:3)。
ここで歌われている人々の救いは、主なる神の救いを示す少数の例に過ぎません。迷う者には導きを(:4-9)、縛られた者には解放を(:10-16)、病む者にはいやしを(:17-22)、悩む者には平安を(:23-30)、「主のいつくしみ」は求める者に適切な救いをもたらします。
キリストは「求めよ、そうすれば、与えられるであろう。」(マタイ7:7)と語られます。私たちがなすべきことは主に救いを求めることであり、「主のいつくしみと、人の子らになされたくすしきみわざとのために、主に感謝する」(詩篇107:31)ことです。「ハレルヤ(主をほめたたえよ)」(詩篇106:48)と叫んで主の救いを賛美しましょう。
(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)