2024/12/22

2024年12月22日「やみの中に輝く光」

ヨハネ1:1-5

 1:1 初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。

 1:2 この言は初めに神と共にあった。

 1:3 すべてのものは、これによってできた。できたもののうち、一つとしてこれによらないものはなかった。

 1:4 この言に命があった。そしてこの命は人の光であった。

 1:5 光はやみの中に輝いている。そして、やみはこれに勝たなかった。

 クリスマスは毎年冬至の時期に祝われるキリスト教の祭りです。寒く日の短い季節にイエス・キリストの誕生を祝い、キリストのうちに光を見出して(ヨハネ1:14-17)新しい年を迎えます。

 ヨハネ伝1章冒頭の言葉は、ギリシャ文化の中で生活する神の民イスラエル人に馴染みのある言葉によって、著者のヨハネが特別なメッセージを伝えています。「言(ことば)」(:1)はギリジャ語では「ロゴス」と言い、物事の道理を意味します。また「初めに」(:1)という言葉は、イスラエル人には聖書の最初の言葉、「はじめに神は天と地を創造された」(創世記1:1)を思い出させます。

 当時のローマ帝国という多国籍社会で生活しながらも、イスラエル人たちは父祖から受け継いだ聖書の神への信仰を失うことがありませんでした。それだけに留まらず、ヨハネたち、キリストの弟子であるクリスチャンたちは、聖書の言葉を用いて異文化に息づく信仰を言い表わしました。「一寸先はやみ」のような世界にあって、彼らはキリストの光を頼りとし、キリストの言に命を見出して(:4)力強く生き、今日の私たちに光と命を伝えてくれています。

(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)