2022/10/16

モーセの十戒 第三戒



 モーセの十戒の第三の戒め、出エジプト20章7節をお読みします。
あなたは、あなたの神、主の名を、みだりに唱えてはならない。

 聖書の神は、自らを目に見える姿形ではなく、言葉による自己表現として名前を告げます(出エジプト3章14節)。他の神々は、人間の都合に合ったご利益をもたらす名前を、人間が名づけます。そして、神々は人間の名づけによって縛られ、その限界が定められてしまいます。聖書の神はこの第三の戒めにより、神が人間の支配に服することを拒んでいます。
 イスラエル人は、この第三の戒めを重く受け止めた結果、決して神の御名を口にすることがありません。しかし、私たちクリスチャンは、聖書により教えられた神の御名を、神を賛美し、神に祈る正しい目的のために唱えます(マタイ6章9節)。神は私たちのうちに神の霊を注がれたので、「アバ、父よ」と神を呼ぶことができます(ローマ8章15節)。真心からの感謝をもって父なる神を賛美し、喜びをもって神に祈りをささげましょう。

 ご一緒にお祈りいたしましょう。
 天の父なる神様。私たちが賛美をささげ、祈りをささげることができるために、神の御名を教えてくださったことを感謝いたします。どうぞ私たちの心に正しい思いを、私たちの口に正しい、良い言葉を授けてください。そして、日ごとの私たちの賛美と祈りを受け入れてください。
 イエス・キリストのお名前によってお祈りします。アーメン。

(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)