2022/10/02

モーセの十戒 第一戒



 モーセの十戒の第一の戒め、出エジプト20章3節をお読みします。
あなたはわたしのほかに、なにものをも神としてはならない。

 中東のイスラエル人の宗教が母体であるキリスト教は、ただひとりの神のみを信じる信仰に立ちます。モーセの時代の中東世界では、様々な民族がそれぞれ独自の神を信仰していました。イスラエル人が奴隷の身から抜け出したエジプトでは、自然現象の神、獣の神、死後の世界の神など、日本と同じ八百万の神々がありました。
 モーセの時代の前、エジプトでは諸々の神々の頂点に太陽の神が据えられ、エジプトの王パロが神の祭司として君臨し、イスラエル人に重い労役を課しました(出エジプト1章8~14節)。聖書の神は、このエジプトで奴隷であったイスラエル人を導き出して自由と解放を与えた、救いの神です(出エジプト20章2節)。
 この第一の戒めは、私たちを多くの厳しい支配の力から解放し、ただひとりの救いの神のみを信じることを命じています。神が唯一であるからこそ、私たちは「心をつくし、精神をつくし、力をつくして」ひとりの神に集中して信仰することができます(申命記6章4~5節)。神は真心を込めて愛する者に、愛をもって豊かに報いてくださいます(出エジプト20章6節)。

 ご一緒にお祈りいたしましょう。
 天の父なる神様。あなたは私たちを愛するがゆえに、私たちの祈りを聞かれ、私たちを苦しめる様々な力から救い出してくださいます。私たちはただひとりの神を信じます。何ものにも勝る大きな力をもて、日々私たちの歩みを支え、導いてください。
 イエス・キリストのお名前によってお祈りします。アーメン。

(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)