説教「いと高き方を称える」
出エジプト15:1-6(お持ちの聖書をお読みください)
今日はモーセと神の民イスラエル人の歌った賛美歌を聴きましょう。イスラエル人は奴隷として苦しんだエジプトを脱出しました。その直ぐ後に、エジプト人がイスラエル人を追いかけて来ましたが、神様が海を分けて、イスラエル人は海を渡って救われました。出エジプト15章の言葉は、このような神様の大きな奇跡に感謝して歌った賛美歌の歌詞です。
今、皆さんは賛美歌を聴いたり、歌ったりすることのできる心の状態でしょうか。ある人は、心が石のように重く、とても賛美歌を聴いたり、歌ったりできないような気持ちであるかもしれません。
そうであったとしても、この賛美歌を歌っているイスラエル人のことを考えてみてください。彼らは決して悩みや苦しみを知らない人々ではありません。私たちと同じように様々な問題で悩み、苦しみ、神様の救いを切に祈り求めている人々です(出エジプト2:23)。彼らが祈った結果、神様の大きな救いの御業を体験することができて、そのことに感謝して賛美歌を歌っているのです。
イスラエル人が神様を賛美できるのは、悩み苦しんで沈んだ心を神様が引き上げてくださり、神様が彼らの口に賛美歌を与えられたからです。「主は、私の力であり、ほめ歌である。」(2節)
皆さんの気持ちが沈んでしまった時にも、ぜひ賛美歌のメロディーとその歌詞に耳を傾けてみてください。賛美歌はなんの理由もなく神様をほめ歌ってはいません。神様は確かに賛美されるにふさわしいお方です。だからこそ、世界中のクリスチャンが数多くの賛美歌を作って、歌っているのです。
そのような賛美歌が作られ、歌われる前に、神様は私たちクリスチャンのために大きな奇跡を行って、私たちを救ってくださいました。私たちは、「主は輝かしくも勝利を収められ」(1節)たことを実際に体験して知ることができます。神様の救いを体験すると、私たちの心は高く引き上げられ、自然と私たちの口に神様への「ほめ歌」がわき上がってきます。
私たちが心から感謝して賛美歌を歌う時、神様は私たちの賛美歌を聴いてくださいます。また、私たちの周りの人々も賛美歌を聴いて、私たちの神様が賛美にふさわしいお方であることを知ることができます。確かに聖書に記されている通り、私たちの神様は「イスラエルの賛美を住まいとしておられます。」(詩篇22:3)
最後にもう一度、私たちはイスラエル人の賛美歌に耳を傾けましょう。「主よ。あなたの右の手は力に輝く。」(6節)私たちも神様の力強い御手に頼り、神様の救いの御業を体験してまいりましょう。そして、神様に心からの感謝を込めて賛美歌を歌っていきたいと思います。
(引用:聖書 新改訳 (c)1970,1978,2003
新日本聖書刊行会)