コリント第二8章9節をお読みします。
あなたがたは、わたしたちの主イエス・キリストの恵みを知っている。すなわち、主は富んでおられたのに、あなたがたのために貧しくなられた。それは、あなたがたが、彼の貧しさによって富む者になるためである。
イエス・キリストはいつも貧しい人々に寄り添っていました。しかし、キリストが主に行ったのは慈善活動ではなく、キリスト教の福音を告げることでした(ルカ7章22節)。
キリストはこのように語りました。「あなたがた貧しい人たちは、さいわいだ。神の国はあなたがたのものである。」(ルカ6章20節)キリストがこの言葉で約束した「神の国」は地上の国ではなく(ヨハネ18章36節)、神のおられる天の国を意味します(マタイ5章3節)。キリストは「天に宝をたくわえよ」と教えています(マタイ6章20節)。
私たちはキリストによって、天から注がれるあふれるばかりの恵みを受け取ることができます。しかし、そのためにキリストは天から降りてこの地上に来られました(ローマ10章6節)。キリスト自ら、私たちと同じような貧しい存在に成り下がったのです。そして、わたしたちが及びもつかないような高い天の恵みを、この地上において味わうことができるようにしてくださったのです。
キリストの恵みを受け取る者は、決して心渇くことなく、永遠の潤いに満たされます(ヨハネ4章13~14節)。私たちもキリストの恵みに与り、天上の恵みを味わいたいと思います。
ご一緒にお祈りいたしましょう。
天の父なる神様。キリストは心の貧しい者に寄り添い、天からの恵みによって彼らの心を満たされました。私たちも、失われるこの世のものに目を留めるのではなく、決して失われることのない天の宝に目を留めて、キリストの恵みに満たされることができますように。
イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。
(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)