創世記25章31節、32節をお読みします。
ヤコブは言った、「まずあなたの長子の特権をわたしに売りなさい」。エサウは言った、「わたしは死にそうだ。長子の特権などわたしに何になろう」。
ヤコブとエサウは、信仰の父アブラハムの孫であり、アブラハムの子イサクの二人の息子です。ヤコブとエサウは双子ですが、体質や性格がまるで違いました。二人のうち、エサウが先に生まれて兄とみなされ、ヤコブは弟とみなされました(創世記25章24~26節)。
二人には生まれ持った違いがありましたが、それとは関係なく、その後の生涯を分けたのが「長子の特権」の取り引きの事件でした。
長子の特権とは、当時の社会の慣習上の権利であり、長男が家のすべてを相続することを意味します。それは本来、取り引きによって売り渡せるようなものではありませんが、ヤコブは大胆不敵にも一杯の食事と取引しようとしました。ところが、エサウは空腹に耐えかねて、長子の特権を売り渡す誓いをして、ヤコブから食事を得ました(創世記25章29~34節)。
エサウは目先の利益しか考えない人でした。一方、ヤコブは将来に対して希望を持っていましたが、彼の生き方は必ずしも正しいものではありませんでした。そのため、ヤコブは生涯にわたって神から試練を与えられていきます。しかし、ヤコブの生涯は聖書の神とともに歩む生涯でした。このヤコブに神は祝福を与えられました(詩篇24篇)。
「主は言われる、わたしがあなたがたに対していだいている計画はわたしが知っている。それは災を与えようというのではなく、平安を与えようとするものであり、あなたがたに将来を与え、希望を与えようとするものである。」(エレミヤ29章11節)神の祝福を求めて歩んでまいりましょう。
ご一緒にお祈りいたしましょう。
天の父なる神様。私たちは祝福を失う人生ではなく、祝福を得る人生を歩みたいと思います。どうぞ私たちの人生を正しく導いてくださり、神の祝福にふさわしい者へと私たちを作り変えてください。
イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。
(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)