ミカ2章12節をお読みします。
ヤコブよ、わたしは必ずあなたをことごとく集め、イスラエルの残れる者を集める。わたしはこれをおりの羊のように、牧場の中の群れのように共におく。
預言者ミカはこのように言って、神からのメッセージをヤコブ、すなわちイスラエルの人々に伝えました。その内容は、羊のように散らばった人々を狼のような危険から守るために、神は羊飼いのようにイスラエルを集めて守られる、ということです。
しかし、イスラエルの人々は預言者の言葉に耳を貸さず、「説教するな」と言いました(ミカ2章6節)。紀元前8世紀頃のミカの時代、イスラエルの国は外敵に悩まされながらも一時の平和を味わっていました。そのため、人々は預言者の言葉をたわごとであると思ったのです。
しかしながら、イスラエルの歴史を顧みると、ミカの時代には二つに分かれた北の王国が既に滅亡しており(紀元前721年)、南の王国も後の時代に滅亡してしまいます(紀元前586年)。そのことは、ミカの預言が知らせた「災」の通りです(ミカ2章3節)。結局、ミカの時代の人々は目先のことだけしか考えていなかったのです。
聖書の神は、私たちが今見ていることより遥かに広く、遠い視野を持ってメッセージを語られます。私たちは聖書の言葉に謙虚になって耳を傾けましょう。そうすれば、私たちは人の知恵を超えた、神の知恵に学ぶことができます。神は良い羊飼いとして私たちを守り、養ってくださいます(詩篇23篇1節)。
ご一緒にお祈りいたしましょう。
天の父なる神様。あなたの思いは私たちの思いより遥かに高く、私たちのすべてを見通しておられます。私たちは聖書の言葉に目を留め、神のメッセージに耳を傾けます。どうぞ私たちに知恵を与え、迷いのない人生を歩ませてください。
イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。
(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)