第一テモテ6章12節をお読みします。
信仰の戦いをりっぱに戦いぬいて、永遠のいのちを獲得しなさい。
今回お読みした「テモテヘの第一の手紙」は、イエス・キリストの使徒パウロからテモテに宛てた手紙です。
パウロが書いた手紙は新約聖書に数多く収められています。パウロの手紙を読んでわかるのは、彼はスポーツが好きで、手紙の中にスポーツの言葉が多く出てくることです。例えば、このような言葉があります。「わたしは戦いをりっぱに戦いぬき、走るべき行程を走りつくし、信仰を守りとおした。」(第二テモテ4章7節)
最初にお読みした「信仰の戦い」とは、スポーツの試合のことを思い描いています。パウロは、試合に勝って賞を得られるよう頑張りなさい、と語っているわけです。そして、その賞品として得られるのが「永遠のいのち」です。
現実のスポーツの世界には様々な駆け引きがあるかもしれません。しかし、公正な競技であるためには、定められたルールに従わなければなりません。また、勝ち負けを決することで人間関係が壊れてしまうべきではなく、お互いに優れている点を認め合うべきです。
信仰の世界でも、得意不得意が表れることがあるでしょう。しかし、一人びとりが神から与えられたタレント(タラント、マタイ25章14~32節)を生かして生涯を全うするとき、人ではなく神がその人を正しく評価してくれます。聖書の神は賞品を、神を信じ従う者に「だれにでも授けてくださるのです。」(第二テモテ4章8節)
神はすべての人にかけがえのない人生を与えられ、励ましのエールを送っておられます。私たちは、「わたしたちの参加すべき競走を、耐え忍んで走りぬこうでは」ありませんか(ヘブル12章1節)。
お祈りいたしましょう。
天の父なる神様。私たちは人生を歩む中で、時に息切れを起こして立ち止まってしまうこともあります。その時、私たちを励ましてくださる神の御言葉を心に聞くことができますように。たどり着くべきゴールに至るまで、私たちを支えてください。
イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。
(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)