第一ヨハネ2章27節をお読みします。
あなたがたのうちには、キリストからいただいた油がとどまっているので、だれにも教えてもらう必要はない。この油が、すべてのことをあなたがたに教える。…
新約聖書に収められている手紙のほとんどは、キリストの使徒から教会に宛てて書かれたものです。先ほどお読みした「ヨハネの第一の手紙」も同じです。この手紙の中の「あなたがた」とは、教会のクリスチャンたちのことを指しています。
「キリストからいただいた油」とは、キリストがクリスチャンに注ぐと約束された「神の御霊」すなわち「聖霊」を意味します(ヨハネ7章37~39節)。それは「真理の御霊」(ヨハネ14章17節)とも言われていて、クリスチャンに真理を悟らせる力を持っています。
私たちクリスチャンは、人生の真理を学ぶために聖書を読み、聖書から多くのことを教えられます。また教会の交わりの中で、多くのクリスチャンたちから教えられることもあります。しかし、聖書が教える真理とは、誰にも理解できないような高度な知識ではありません。むしろ、誰の心のうちにもある当たり前の知識でありながら、その本質を自分のものとすることが難しいようなものです。そのような真理の一つは「愛」です(第一ヨハネ2章5節)。
そのような大切な真理を自分のものとするために、私たちはキリストが賜る油、すなわち真理の御霊が必要です。
皆様の心のうちに真理の御霊が豊かに注がれますように、ご一緒にお祈りいたしましょう。
天の父なる神様。私たちは聖書を読むことを通じて、多くの大切な真理について学ぶことができます。これらの真理がいかなるものであるかを知ることができるように、また知るだけではなく、真理に導かれて充実した日々を送ることができるように、私たちにキリストの油を、真理の御霊を注いでください。
イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。
(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)