ミカ4章5節をお読みします。
すべての民はおのおのその神の名によって歩む。しかしわれわれはわれわれの神、主の名によって、とこしえに歩む。
聖書の民であるイスラエル人は、人の名前を重視します。彼らは、人の名前にその人の性質が表れると考えるからです。そのために出エジプトの指導者、モーセは人々に説明するために、神の名前を尋ね求めました(出エジプト3章13節)。
聖書には、神の性質を説明する神の名前が多く記されています。モーセに告げられた神の名前「ヤハウェ(主)」とは、「わたしは有る」という意味です(出エジプト3章14節)。また、神を賛美する目的で、神の名前を人の名前に組み込むこともよくあります。「ミカ」という名前は、「誰が主のような方であろうか」という意味です(ミカ1章1節、7章18節参照)。
イスラエル人にとって名前をつけたり、名前を呼ぶことは、神への信仰を告白することにつながります。先ほどお読みした聖書の言葉、「われわれの神、主の名によって、とこしえに歩む」とは、日々の生活の中で信仰を実践していく決意を示しています。
皆さんにとって「神」とはどのような存在でしょうか。聖書の神は、決まりきったご利益だけに働くお方ではありません。決して一言だけで言い表すことのできない、数多くのすばらしい性質が「神の名前」として聖書にちりばめられています。私たちが知っている以上の豊かな神の名前を、聖書を読んで発見してみてください。きっと皆さんの人生がより豊かにされるはずです。
お祈りいたしましょう。
天の父なる神様。信仰の先人たちは、神なるあなたの御名を呼び、あなたは彼らにお答えになりました(詩篇99篇6節)。「わたしは有る」と言われる神様。あなたが確かにおられることを私たちに示してください。そして私たちの切なる祈りを聞き届けてください。
イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。
(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)