ヨハネ16章33節をお読みします。
これらのことをあなたがたに話したのは、わたしにあって平安を得るためである。あなたがたは、この世ではなやみがある。しかし、勇気を出しなさい。わたしはすでに世に勝っている」。
イエス・キリストは最後の晩餐において、弟子たちに多くのことを教えました。弟子たちはキリストの言葉をすべて理解できた訳ではないでしょう。それでも、愛情に満ちた言葉を聞いて、弟子たちは一時の安心を持つことができました(30節)。
キリストが最後の晩餐で教えた目的の一つは、弟子たちが平安な心を持つことでした。しかし、キリストは励ましの言葉を語っただけではなく、十字架の後の悩ましく困難な状況について、弟子たちにあからさまに予告しました。キリストがこの世に来られた主な目的は、真理を語ることだったからです(ヨハネ18章37節)。
キリストは、重荷を負って悩み苦しむ者に休みを与えると語られました(マタイ11章28~30節)。その休みは一時の、気休め程度のものではありません。重荷となる現実の様々な苦しみに対し、目をそらすのではなく、キリストご自身が一緒に重荷を負ってくださり、私たちが負う重荷を軽くしてくださるのです。
キリストはこの世に悩み、苦しみがあることを知っておられます。それらの重荷に対し、私たちが勇気を出して立ち向かい、平安な心で日々を歩めるように、私たちを助けてくださいます。それが、キリストが私たちに約束された「勝利の力」です(第一ヨハネ5章4節)。
困難な時代に生きる皆様お一人ひとりにキリストの勝利の力が与えられますよう、お祈りをいたします。
天の父なる神様。私たちは今日もキリストの御言葉を耳にしました。その御約束の通りに、悩ましい困難な時代に生きる私たちの心に平安を、私たちの日々の歩みに勝利をお与えください。
イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。
(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)