2023/09/10

主の祈り(6)罪をゆるしたまえ

わたしたちに負債のある者をゆるしましたように、
わたしたちの負債をもおゆるしください。
(マタイ6章12節)

 ルカによる福音書の主の祈りでは、「わたしたちに負債のある者を皆ゆるしますから、わたしたちの罪をもおゆるしください」(ルカ11章4節)と言われています。聖書の教える「罪」は、負債や負い目とも言われる、幅広い意味を持つ言葉です。
 罪をゆるすことは、負債を免除してもらうことにたとえられます(マタイ18章23~35節)。しかし、負債免除の恩義を忘れて、そのゆるしの心を否定するような事、すなわち他人の罪をゆるさない者は、ゆるさないという罪を問われることになります。ですから、聖書は「ゆるしてやれ。そうすれば、自分もゆるされるであろう」(ルカ6章37節)と教えています。
 罪をゆるすことは自らの罪がゆるされるための条件ではありません。なぜなら、最初に神のゆるしがあるからです。イエス・キリストは私たちの罪を負って十字架につけられました(ペテロ第一2章22~24節)。私たちの罪がゆるされたからこそ、私たちも他人の罪をゆるすことができます。
 「主もあなたがたをゆるして下さったのだから、そのように、あなたがたもゆるし合いなさい。」(コロサイ3章13節)

(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)