ガラテヤ3章29節をお読みします。
もしキリストのものであるなら、あなたがたはアブラハムの子孫であり、約束による相続人なのである。
約二千年前にキリスト教会が誕生した時代、キリストを信じる人々は教会外部の人々から「クリスチャン」、別の言葉で「キリスト者」と呼ばれるようになりました(使徒11章26節)。一方、クリスチャン自身も自らはキリストに属するものであり、「キリストのもの」であるという自覚がありました(コリント第一3章23節)。
さらに、クリスチャンは神の選びの民である「アブラハムの子孫」であるという自覚もありました。アブラハムは神から約束を賜り(創世記22章15~18節)、子孫に神の祝福を受け継がせた信仰者です(ガラテヤ3章18節)。アブラハムが受けた祝福は、同じ聖書の神を信じるクリスチャンにも約束として与えられています(ガラテヤ3章9節)。
そして、この神の祝福を受け継ぐ、または相続することの条件が、「もしキリストのものであるなら」ということに係っています。アブラハムの子孫とはイスラエル人の血筋であることを意味します。しかし、イエス・キリストを信じるクリスチャンは、キリストの名前のゆえに神の子とされる能力が与えています(ヨハネ1章12節)。キリストがクリスチャンに神の子としての身分を授けました(ガラテヤ4章5節)。それゆえ、クリスチャンは神の祝福を受け継ぐ相続人である、と聖書は語りかけています(ガラテヤ4章7節)。
キリストの名前で呼ばれている「クリスチャン」ということは、このように祝福に満ちた存在です。神の祝福を求めてクリスチャンとなることは素晴らしいことです。またクリスチャンである方は、自らにつけられたキリストの御名を誇りとしましょう。「あなたによって、すべての国民は祝福されるであろう」(ガラテヤ3章8節)という約束を固く握りましょう。
ご一緒にお祈りいたしましょう。
天の父なる神様。今日も御言葉によって、与えられている神の約束の素晴らしさを知ることができました。自らの存在、自らにつけられたキリストの御名が祝福の基であることを固く握り、勇気と感謝をもって今日一日を力強く歩ませてください。
イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。
(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)