創世記6章6節から8節までをお読みします。
主は地の上に人を造ったのを悔いて、心を痛め、「…わたしは、これらを造ったことを悔いる」と言われた。しかし、ノアは主の前に恵みを得た。
創世記6章から9章までは、ノアの洪水と箱舟について丁寧に物語っています。ノアの時代、洪水が世界を襲い、いっさいのものをさらって行きました(マタイ24章39節)。しかし、洪水が襲うまでの間、ノアの造った箱舟に入って救われるための猶予がありました(ペテロ第一3章20節)。
神は世界をはなはだ良いものとして創造されました(創世記1章31節)。しかし、世界に住む人々が人の道を踏み外し、世界は乱れて暴虐が地に満ちました(創世記6章11節)。現代の世界も、当初は人類の繁栄を求めて科学技術を発展させましたが、その技術が地球環境を痛めつけ、他方では戦争で大虐殺をもたらす凶器をもたらしています。
人類は数多くの取り返しのつかない失敗を犯してしまいました。神は人類の悪を見られ、悪を絶やすことを決心されました。しかし、同時に神は、善を行い正しい道を歩む人々を救うため、ノアに箱舟を造ることを命じられました(創世記6章13~14節)。「ノアはその時代の人々の中で正しく、かつ全き人で」した(創世記6章9節)。
神は人類が「ひとりも滅びることがなく、すべての者が悔改めに至ることを望」まれるお方です(ペテロ第二3章9節)。しかし、悪は良いものをも滅ぼす危険があります。聖書はこのように言って警告しています。「わたしは何人の死をも喜ばないのであると、主なる神は言われる。それゆえ、あなたがたは翻って生きよ」(エゼキエル18章32節)
ご一緒にお祈りいたしましょう。
天の父なる神様。現代に生きる私たちは、様々な分野で物事の結果を見通すことができます。しかし、悪い結末を見通しながら、その間違いを改めない悪を行いつつあります。今一度、天から示されている警告に聞き従う者となることができますように。狭い門を選び取り、正しい道に立ち返る勇気を与えてください(マタイ7章13節)。
イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。
(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)