コリント第二3章6節をお読みします。
神はわたしたちに力を与えて、新しい契約に仕える者とされたのである。それは、文字に仕える者ではなく、霊に仕える者である。文字は人を殺し、霊は人を生かす。
聖書の神は、私たち人類に約束を与えてくださいました。そして、その約束が破られることのないように、言葉を文字に起こして、契約書としてモーセに十戒の石の板を与えられました(出エジプト31章18節)。しかしその時、人々は神の戒めに背いて偶像を造ったため(出エジプト20章4節)、モーセは怒りに燃えて契約の石の板を砕いてしまいました(出エジプト32章19節)。
神から頂いた祝福の約束の言葉も、正しく受け取られなければ祝福をもたらすことができません。しかし、一旦文字となった約束、すなわち契約の言葉は、契約を無視する者をも縛り、契約違反の罰を下す力があります。人類は神からの契約を無視することによって、祝福を受け取ることができないだけでなく、罰を逃れることができません(ローマ2章12節)。神の契約(律法)は、契約を守り、それに従う者に命をもたらしますが、従わない者には死をもたらす力があります(ローマ10章5節)。
神はモーセを通して授けた古い文字による契約に代えて、新しい契約を与えてくださいました。それはイエス・キリストによる十字架の血による契約であり(コリント第一11章25節)、神の霊によって命をもたらす契約です。古い契約は従わない者に罪を宣告しますが、新しい契約は神の霊に導かれる者に義を、すなわち無罪であることを宣告します(コリント第二3章9節)。古い契約は恐怖を、新しい契約は栄光に満ちた喜びを人類にもたらします。
新しい契約、すなわちキリストを信じることは私たちに大きな力を与えます。それはすなわち、神から与えられた契約を守り、それに従う力を新しく与えます。私たちは神の力によって正しい人生を歩むことができます。神に従い、神の力に満たされて日々を歩ませていただきましょう(ローマ16章25~26節)。
ご一緒にお祈りいたしましょう。
天の父なる神様。イエス・キリストの十字架の言葉には、神の力が込められていることを私たちは知ることができました(コリント第一1章18節)。私たちは命の通わない文字に囚われるのではなく、神の霊に導かれて、神の働きに従うことができますように。私たちに神の良き業を行う自由と力を与えてください。
イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。
(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)