2022/07/17

聖書の植物~コエンドロ


 「イスラエルの家はその物の名をマナと呼んだ。
それはコエンドロの実のようで白く、
その味は蜜を入れたせんべいのようであった。」
出エジプト16章31節

 コエンドロ(コリアンダー)は、小アジア原産の香辛野菜です。コショウ等の東方の香辛料が普及する以前、オリエント世界の代表的な香辛料はコエンドロでした。日本には平安時代に渡来していましたが、近年になって「パクチー」という名で、東南アジア料理の香辛料として普及しています。
 荒野を旅するイスラエル人が食べた「マナ」は、現在でも明確に特定できません。当時のイスラエル人にとって身近なコエンドロで例えられていますが、実際には彼らにも未知の食物でした(出エジプト16章15節)。そのように、神の賜る天の恵みは、人知を超えた幸いをもたらす神の知恵の賜物です(申命記8章16節)。

(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)