「彼はれだまの木の下に伏して眠ったが、
天の使が彼にさわり、『起きて食べなさい』
と言ったので…」(列王紀上19章5節)
レタマ(学名Retama)は、地中海沿岸原産で、エニシダに近縁であるマメ科の低木です。同じ近縁種にレダマ(学名Spartium)がありますが、それとは別種です。エニシダは黄色の花を咲かせますが、レタマは白い花を咲かせます。レタマはイスラエルの荒野に生育する数少ない植物の一つで、焚き木として利用されることもありました(ヨブ30章4節)。
預言者エリヤは命をねらわれたため、荒野に逃れました(列王紀上19章3節)。人目を避けてレタマの陰に身を隠したエリヤを、神は食事をもって力づけました。エリヤはそれに力を得て、神の山にたどり着きました(列王紀上19章8節)。
(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)