2022/06/12

聖書の植物~ナルド

(写真:ナルドの根の粉末)

 「その時、マリヤは高価で純粋な
ナルドの香油一斤を持ってきて、

イエスの足にぬり、自分の髪の毛でそれをふいた。
すると、香油のかおりが家にいっぱいになった。」
(ヨハネ12章3節)

 ナルドは、ヒマラヤ山脈原産のオミナエシ科の多年草です。特に根に多く香油成分を含んでおり、抽出した香油を石膏のつぼに入れて(マルコ14章3節)高級な香料として取り引きされました。イスラエル人は東方の外国から輸入して珍重しました(雅歌4章14節)。
 ラザロの姉妹マリヤは、キリストを慕う余りにナルドの価値を顧みず、キリストの足に注ぎ出しました。しかし、その行為の価値をマリヤ自身も知りませんでした。その香油は、やがて十字架で死なれるキリストの葬りのために用いられたのでした(ヨハネ12章7節)。

(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)