「そこには白綿布の垂幕と青色のとばりとがあって、
紫色の細布のひもで銀の輪および大理石の柱に
つながれていた。」(エステル1章6節)
ワタはインド、メキシコ等の熱帯地域の原産で、種の表面から生じる綿毛が綿布の素材となり、種そのものからも食用油が採れます。衣服に亜麻布を用いていた古代イスラエル人は、東方の国から輸入された綿布の軽さ、柔らかさに驚きました。
旧約聖書のエステル記は、イスラエルの東方、アケメネス朝ペルシャ帝国で活躍したエステルたちユダヤ人の物語です。白綿布等の異国の王宮の豪華絢爛さの影で、ユダヤ人の信仰と神の見えざる御手のわざを垣間見ることができます。
(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)