マタイ6章13節をお読みします。
わたしたちを試みに会わせないで、悪しき者からお救いください。
この言葉を文語体の「主の祈り」ではこう祈ります。「試みに会わせず、悪より救い出だしたまえ。」
「試み」と言われるものには、正しい目的によって行われて実力を見定めるものがあります。一方で、悪い目的を持った悪しき者によって試みられることがあります。その試みの目的は、悪い結果に引きずり込もうとして誘惑するものです。そのような試みは、人としての成長などの良い結果を望むことができません。
イエス・キリストは悪魔から試みられたことがあります(マタイ4章1~11節)。その試みは貪欲、名誉、富によるものでしたが、キリストはこれらの誘惑に関わることを一切拒まれました。
私たち人間は、様々な悪事や誘惑に手を染めている最中で、それらを克服するような力はありません。「剣ををとる者はみな、剣で滅びる」(マタイ26章52節)と言われているように、私たちは悪を克服するために悪に一切手をつけてはなりません(テサロニケ第一5章22節)。悪と関わりを持つことがないように、私たちも日々こう祈りましょう。「試みに会わせず、悪より救い出だしたまえ。」
ご一緒にお祈りいたしましょう。
天の父なる神様。私たちを日々、様々な危険から守ってくださることを感謝いたします(詩篇91篇)。とりわけ私たちが悪の世界に入り込むことがないように、悪の試みから遠ざけて私たちをお救いください。
イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。
(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)