ピリピ4章6節、7節をお読みします。
何事も思い煩ってはならない。ただ、事ごとに、感謝をもって祈と願いとをささげ、あなたがたの求めるところを神に申し上げるがよい。そうすれば、人知ではとうてい測り知ることのできない神の平安が、あなたがたの心と思いとを、キリスト・イエスにあって守るであろう。
聖書は多くの所で「恐れてはならない」(創世記15章1節)、「心配するな」(マルコ13章11節)と私たちに語りかけています。
私たちはいろいろな物事のために恐れたり、心配することがあります。あるいは、心の恐れや心配を隠して、まるでそうではないかのように振舞うことがあります。また、他人から「心配するな」と言われたから心配しなくなるとも限りません。
聖書が語りかける「恐れるな」という言葉には、必ず根拠があります。ピリピ書の「思い煩うな」という言葉の根拠は「神への祈り」にかかっています。
聖書の教える「祈り」とは、呪文や自己暗示のようなものとは違います。それは聖書の神に対する切実な訴えです。聖書の神は私たちの祈りを聞いてくださるお方です(詩篇77篇1節)。ですから、「事ごとに、感謝をもって祈と願いとをささげ」なさいと勧められているのです。
神が私たちの祈りを確かに聞いておられることを知ることができます。それは、神に祈りを捧げるなら、「人知を超えた神の平安」が与えられます。しかし、祈りの答えがすぐに与えられるとは限りません。神の最善の時に祈りの答えが与えられることを信じ、平安な気持ちになるまで祈り続けることが、祈りの秘訣です。
皆様の心から思い煩いから消え去りますようにお祈りさせていただきます。
天の父なる神様。聖書は「思い煩うな」と私たちに語りかけます。全知全能の神様にすべてをお任せすることができるよう、私たちから思い煩う心を取り去ってくださり、代わりに平安な心を与えてください。
イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。
(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)