ヨハネ10章30節、31節をお読みします。
「わたしと父とは一つである」。そこでユダヤ人たちは、イエスを打ち殺そうとして、また石を取りあげた。
イエス・キリストは聖書の神を「父」と呼んで、「わたしと父とは一つである」と言いましたが、それを聞いた人々はキリストに殺意を覚えて、石を取りあげました。
それほどまでに感情的になった彼ら、ユダヤ人たちは聖書の神を信仰する「聖書の民」でした。彼らにとって、キリストの言葉は自らを神と同列において、神を汚していると考えたのです(ヨハネ10章33節)。
しかし、キリストは自らが神であると言ったのではなく、「父なる神と一つである」と言いました。その意味は、キリストが父なる神の心を知っていて、言葉とわざにおいて神の御心と一致していることを示しています(ヨハネ10章15節)。
そして、このことはキリストだけに当てはまることではなく、私たちも「神と一つとなる」ことができることを示しています。そのために、キリストは私たちに神の御心を教え、神の特別な祝福を受けた「神の民」として、私たちを導かれます(ヨハネ10章16節)。
キリストは言葉だけではなく、わざによって神の御心を教えられます。イエス・キリストは私たちの祈りに応えてくださり、私たちにわかる形で神の真理を示されます(ヨハネ14章6節)。
皆様の生涯にも、父なる神の良き御業が示されますように、ご一緒にお祈りいたしましょう。
天の父なる神様。イエス・キリストは私たちに、「父による多くのよいわざを、あなたがたに示した」と語られました(ヨハネ10章32節)。その御言葉の通り、聖書の神が私たちの父であられ、私たちが神の守りの中を歩むことができますように。
イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。
(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)