コリント第二5章4節をお読みします。
この幕屋の中にいるわたしたちは、重荷を負って苦しみもだえている。それを脱ごうと願うからではなく、その上に着ようと願うからであり、それによって、死ぬべきものがいのちにのまれてしまうためである。
この聖句で言われている「幕屋」とは、移動式の住居であるテントを意味します。パウロはこの言葉で、人間の体のことを簡単に壊れてしまうテントにたとえています。
テントも人間の体も、不具合が起きたら直すことができますが、それでも永遠に使い続けることはできません。しかし、人間として生きていくためには、不具合の起きた体を捨てるわけにはいかず、だましだまし使い続けていかなければなりません。そのことは、私たちにとって重荷であり、苦しみであるかもしれません。
キリスト教の約束する救いは、まさにこの人間の体の苦しみの声に応えるものです。聖書の神は、人間のために壊れることのない堅固な建物、永遠の家を備えておられます(コリント第二5章1節)。それは、イエス・キリストを信じる者のために備えられている、天のすまいです(ヨハネ14章1~3節)。
キリストを信じる時、私たちは自分を失ってしまうのではありません。そうではなく、私たちの人間としての弱さが、天から下ってくる神の力によって覆われて、神から頂く新しい命に満ちあふれることになるのです。私たちも神を見上げて、命にあふれた神の力を身にまといたいと思います。
ご一緒にお祈りいたしましょう。
天の父なる神様。私たちの毎日の生活には疲れることも、くたびれてしまうこともあります。その時、私たちの弱さに目を留めるのではなく、私たちの弱さを覆う、神の力に目を留め続けることができますように。天からの命によって私たちを満たしてください。
イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。
(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)