ペテロ第一2章21節をお読みします。
あなたがたは、実に、そうするようにと召されたのである。キリストも、あなたがたのために苦しみを受け、御足の跡を踏み従うようにと、模範を残されたのである。
イエス・キリストの使徒ペテロは、小アジア地方(現在のトルコ・アナトリア半島)の各地に住むクリスチャンに宛てて、この励ましの手紙を書き送りました(ペテロ第一1章1、2節)。
ペテロは「そうするように」と書いていますが、その意味するところはその言葉の前の部分に書いてあります。それは、「肉の欲を避ける」ことであり(ペテロ第一2章11節)、「国の制度に従う」ことであり(同13節)、「すべての人をうやまう」ことであり(同17節)、「主人に仕える」ことです(同18節)。
これらのことは根本的には正しいことでありますが、時にその言葉に従うことが難しく感じることもあるのではないでしょうか。ペテロはさらに励ましとなる言葉も語っています。それは、「キリストも、あなたがたのために苦しみを受け」られたということです。
キリストの生涯と語った言葉は、四つの福音書に記されています。それはまさに、ペテロが勧めた言葉の通りの生涯でした。しかし、キリストは彼に敵対する人々に苦しめられ、最後に十字架の死を遂げられました。キリストはご自分が語った言葉の通りに、「敵を愛する」生涯を遂げられました(ルカ6章35節)。
聖書は私たちに自分勝手な生き方ではなく、正しい事に従う生き方を勧めています。正しい生き方をした結果、自らが苦しくなることがあるでしょうか。その時に、キリストを思いみてください。キリストは正しく生きる人々の苦しみを知っておられます。キリストは私たちに立場に立ち、私たちを守ってくださるお方です。
ご一緒にお祈りいたしましょう。
天の父なる神様。私たちは聖書を読むことで、正しい生き方を教えられます。聖書の言葉は私たちの心に深く入り込みます。どうぞ、聖書の教えに従う私たちを助けてください。あらゆる苦しみから救われて、キリストの道を歩むことができますように。
イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。
(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)