詩篇146篇3節と5節をお読みします。
もろもろの君に信頼してはならない。人の子に信頼してはならない。彼らには助けがない。…ヤコブの神をおのが助けとし、その望みをおのが神、主におく人はさいわいである。
神の民、イスラエル人は世代を超えて、同じ聖書の神を礼拝し、詩篇146篇のような賛美歌を歌い継いできました。
長い歴史の中で、イスラエルの周辺には様々な国や君主が興り、また亡んでいきました。時には他国の支配に服することもありましたが、それらの支配者もまた消えていきました。
イスラエルの国も、モーセに導かれた時代があり、王様や指導者によって導かれた時代があり、戦いに負けて国を失う時代もありました。彼らが歌う「もろもろの君」とは、諸外国のみならずイスラエルの国自体も含んでいます。
そして、土から取られ、土に帰る人間(創世記3章19節)に信頼することは空しいことであることを告げて(詩篇146篇4節)、このように歌っています。「ある者は戦車を誇り、ある者は馬を誇る。しかしわれらは、われらの神、主のみ名を誇る。」(詩篇20篇7節)
私たち人間は周りの状況が変われば、それに合わせて変化していかなければなりません。しかし、時代が変わっても決して変わらない聖書の神に、私たちの救いの希望をおいていきたいと思います。
お祈りいたしましょう。
天の父なる神様。私たちは自分の見る所や、世の中の権力や評判に頼りがちです。しかし、次の瞬間には消えてなくなってしまうものではなく、決して消えることのないものに望みをおきます。どうぞ私たちの心をお守りください(マタイ6章19~21節)。
イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。
(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)