ホセア14章1節をお読みします。
イスラエルよ、あなたの神、主に帰れ。
聖書の神は、神の民であるイスラエルに対して、家出した子どもを呼び戻すように「帰れ」と呼びかけています。
聖書は度々、家出のたとえを用いて私たちに語りかけます。新約聖書でも「放蕩息子」のたとえ話があります。息子は父親から財産をもらって実家を飛び出しましたが、財産をすべて放蕩して使い果たしてしまいました。それから息子は困窮の末に実家に帰るのですが、父親は大喜びでこの息子を家に迎えました(ルカ15章11~32節)。
ホセア書の冒頭には大変印象深い出来事が語られています。預言者ホセアはゴメルという女性と結婚しました。しかし、ゴメルはホセアから離れて、不道徳な生活をして身を持ち崩し、身売りする立場となってしまいます。そのようなゴメルを、夫のホセアは金を払って身受けするのでした(ホセア1~3章)。
この放蕩息子やゴメルのように、期待に背いて自分勝手に家を飛び出してしまうような者であっても、聖書の神は彼らが正しい立場に立ち返ることを願っています。これらのたとえ話は、私たちに向けられた神の熱い思いを語っています。
聖書の神はゆるしの神であり、いやしの神です(ホセア14章4節)。現状は悲惨な状況であり、それは自分に落ち度があったためだと気づいている人は、悔い改めを促す神の呼び声を聞いて、神の救いを求めましょう。悔い改める人に、神は助けの御手を伸べてくださいます。
お祈りいたしましょう。
天の父なる神様。あなたは家出した子に対し「帰れ」と呼びかけておられます。私たちの心にこの神の呼び声を聞くとき、その時、私たちは素直に神のもとに立ち返ることができますように。行くべき道を見失っているすべての人が、神のもとに帰ることができますように。
イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。
(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)