詩篇125篇4節、5節をお読みします。
主よ、善良な人と、心の正しい人とに、さいわいを施してください。しかし転じて自分の曲った道に入る者を主は、悪を行う者と共に去らせられる。イスラエルの上に平安があるように。
詩篇125篇は、神の選民イスラエルの都、エルサレムで行われる祭りで歌われた賛美歌です。彼らは自らが山々のように動かされず、安泰であることを神に感謝して歌っています(詩篇125篇1節)。
しかし、イスラエルは国家的な動揺を経験していない訳ではありません。彼らは他国に攻め入られることも度々経験し、バビロニア王国に打ち負かされて捕囚の憂き目に遭ったこともあります。
イスラエルはその事実を自らの落ち度によるものとして回想しています。「主は、悪を行う者と共に去らせられる。」(詩篇125篇5節)そして二度と「悪しき者のつえ」(詩篇125篇3節)を握って、不正に手を染めないことを誓ってこの詩篇の言葉を歌っているのです。
イスラエルは、何もせずに平和を得ることはできないことをその身で知っています。彼らは神の奇跡によって帰国することができ(イザヤ35章10節)、再びエルサレムに集まって祭りを行うことができるようになりました。イスラエルの神、聖書の神は平和をつくり出す神であり、神の民は平和を祈り求めているのです(詩篇125篇5節)。
私たちも平和を求めてご一緒にお祈りいたしましょう。
天の父なる神様。聖書は私たちに教えています。「主に信頼する者は、動かされることがない。」どうか私たちの心に揺るぐことのない平安を、日本に、また世界にあなたがつくり出される平和を与えて下さい。
イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。
(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)