2019/07/17

神と親しく交わる神学 第五回 洗礼を受ける恵み


 洗礼の儀式はキリスト教以前のユダヤ人の風習から始まりました。その儀式をバプテスマのヨハネが用いて、罪からの決別(悔い改め)の決意表明の儀式として人々に授けました(マタイ3:11)。キリストご自身もクリスチャンが従うべき模範を示すためにヨハネより洗礼を受けました(マタイ3:13-17)。
 また洗礼は、父・子・聖霊の、三位一体の神の名によって行われる(マタイ28:19)、「キリストの割礼」です(コロサイ2:11)。その意味は、洗礼は三位一体の神ご自身が権威をもって授けられるものであり、旧約の契約のしるしである割礼と同様、はっきりと目に見える形で行われる、キリストの新しい契約(新約)であるということです。
 キリストの契約が約束しているもの、すなわち神から授けられる天からの恵みは、次の事を含みます。すなわち、罪に対する死と神に対する生(コロサイ2:12)、神との結合(ローマ11:17-18)、心の新生(エペソ2:4-6)、キリストと共に歩む新しい生活(ガラテヤ2:20)を示しています。
 信仰を抱いて洗礼を受けたクリスチャンに約束されている神の恵みの数々を、今日、神は洗礼という儀式によって保証しておられます(ローマ4:11)。感謝をもって洗礼を受け、神の恵みを余すことなく受け取る者として信仰生活を歩んでまいりましょう。

参考図書:スプロール「洗礼とは何か」いのちのことば社、2016年