2019/06/30

神と親しく交わる神学 第四回 洗礼の意義と取扱い


 教会の礼典である洗礼式および聖餐式の意義と取扱いに関して、すべての教会が共有している本質的な意義があると同時に、個々の教会で行われている具体的な取扱い方の違いがあります。今回の学びでは、「日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団志村キリスト教会」の具体的な取扱いに即して、二つの聖礼典の意義を学んでいきます。
 洗礼式において行われる「洗礼」は、新約聖書の原語の読みから「バプテスマ」とも言われます(使徒2:38)。教会により呼称が異なることがありますが、本質的にはすべての教会が同じ主イエス・キリストの制定された同一の洗礼を取り扱っている(エペソ4:5)ので、基本的にはクリスチャンは洗礼を生涯に一度だけ受ければ十分で、何度も洗礼を受け直す必要はありません(ヨハネ13:10)。しかし、すべてのクリスチャンは洗礼を受けた時に心に抱いた信仰を生涯にわたって保ち続けることを心がけねばなりません。
 キリストを信じる者は、特段の理由がない限り(ルカ23:43)、洗礼を受けるべきことをキリストご自身が命じています(マタイ28:19)。また洗礼そのものに特別な効力があるのではなく、クリスチャンが心に抱く信仰を公の場で表す、信仰告白の行為(第一ペテロ3:21)を意味するものですので、信仰を持たない者は洗礼を受けることができません。
 教会の正式なメンバーである教会員(信徒)となるためには、洗礼を受けた者であることが条件となっています(下記教会規則参照)。そのため、洗礼を志願する者には、個人的な信仰を持っていることだけでなく、教会員としての責任を負う意志を持っていることも求められます(第一コリント12:13)。

参考図書:スプロール「洗礼とは何か」いのちのことば社、2016年
志村キリスト教会規則第十七条第二項:
「信徒は洗礼を受け、この教会の信徒名簿に登録されている者とする。」