2022/03/13

聖書の植物~没薬

 「これは彼らの化粧の期間として、
没薬の油を用いること六か月…
が定められていたからである。」
(エステル2章12節)

 没薬(ミルラ)は、カンラン科コンミフォラ属の低木から採取される樹脂です。同じく樹脂である乳香は乳白色であり、没薬は赤褐色です。原産地はアフリカであり、香料(出エジプト30章23節)やミイラの防腐剤、痛み止め(マルコ15章23節)の原料として用いられました。
 エステルが王に愛されて王妃となることができたのは、養父モルデカイ(エステル2章20節)や監督官ヘガイ(エステル2章15節)の教えに忠実に従ったためでした。エステルの美しさは、没薬等の外面的なもの以上に、内面的な従順な人柄によって引き立てられたのでした(ペテロ第一3章4節)。

(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)

2022/03/07

2022年3月13日の聖書日課

(写真:ユキヤナギ)
エペソ6:10-20
 6:10 最後に言う。主にあって、その偉大な力によって、強くなりなさい。
 6:11 悪魔の策略に対抗して立ちうるために、神の武具で身を固めなさい。
 6:12 わたしたちの戦いは、血肉に対するものではなく、もろもろの支配と、権威と、やみの世の主権者、また天上にいる悪の霊に対する戦いである。
 6:13 それだから、悪しき日にあたって、よく抵抗し、完全に勝ち抜いて、堅く立ちうるために、神の武具を身につけなさい。
 6:14 すなわち、立って真理の帯を腰にしめ、正義の胸当を胸につけ、
 6:15 平和の福音の備えを足にはき、
 6:16 その上に、信仰のたてを手に取りなさい。それをもって、悪しき者の放つ火の矢を消すことができるであろう。
 6:17 また、救のかぶとをかぶり、御霊の剣、すなわち、神の言を取りなさい。
 6:18 絶えず祈と願いをし、どんな時でも御霊によって祈り、そのために目をさましてうむことがなく、すべての聖徒のために祈りつづけなさい。
 6:19 また、わたしが口を開くときに語るべき言葉を賜わり、大胆に福音の奥義を明らかに示しうるように、わたしのためにも祈ってほしい。
 6:20 わたしはこの福音のための使節であり、そして鎖につながれているのであるが、つながれていても、語るべき時には大胆に語れるように祈ってほしい。

(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)
 

2022/03/06

聖書の植物~乳香

「ひれ伏して拝み、また、宝の箱をあけて、
黄金・乳香・没薬などの贈り物をささげた。」
(マタイ2章11節)

 乳香(フランキンセンス)は、カンラン科ボスウェリア属の低木から採取される樹脂です。原産地はアラビア半島南部から東アフリカにかけてであり、移植の難しい植物で、イスラエルは輸入に頼っています。古代より高級な御香として儀式で用いられてきましたが、近代になって香水の原料としても用いられています。
 東方の博士たちはユダヤ人の王(キリスト)の誕生を知って、乳香等の王にふさわしい贈り物を携えてやって来ました(マタイ2章1~2節)。彼らはキリストを王都ではなく農村のベツレヘムで発見しましたが(マタイ2章6節)、彼らの心は非常な喜びにあふれました(マタイ2章10節)。

(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)
 

2022/03/01

2022年3月6日の聖書日課

(写真:サンシュユ)
エレミヤ31:27-34
 31:27 「主は言われる、見よ、わたしが人の種と獣の種とをイスラエルの家とユダの家とにまく日が来る。
 31:28 わたしは彼らを抜き、砕き、倒し、滅ぼし、悩まそうと待ちかまえていたように、また彼らを建て、植えようと待ちかまえていると主は言われる。
 31:29 その時、彼らはもはや、
『父がすっぱいぶどうを食べたので、
子どもの歯がうく』
とは言わない。
 31:30 人はめいめい自分の罪によって死ぬ。すっぱいぶどうを食べる人はみな、その歯がうく。
 31:31 主は言われる、見よ、わたしがイスラエルの家とユダの家とに新しい契約を立てる日が来る。
 31:32 この契約はわたしが彼らの先祖をその手をとってエジプトの地から導き出した日に立てたようなものではない。わたしは彼らの夫であったのだが、彼らはそのわたしの契約を破ったと主は言われる。
 31:33 しかし、それらの日の後にわたしがイスラエルの家に立てる契約はこれである。すなわちわたしは、わたしの律法を彼らのうちに置き、その心にしるす。わたしは彼らの神となり、彼らはわたしの民となると主は言われる。
 31:34 人はもはや、おのおのその隣とその兄弟に教えて、『あなたは主を知りなさい』とは言わない。それは、彼らが小より大に至るまで皆、わたしを知るようになるからであると主は言われる。わたしは彼らの不義をゆるし、もはやその罪を思わない」。

(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)
 

2022/02/27

聖書の植物~アマ


「その実、彼女はすでに彼らを連れて屋根に
のぼり、屋上に並べてあった亜麻の茎の中に
彼らを隠していたのである。」
(ヨシュア2章6節)

 アマ(亜麻)は中東が原産地で、最初は中東からヨーロッパにかけて、後に世界中で栽培されるようになりました。茎からは衣類の繊維、種からはアマニ油が採れます。繊維を採るためには茎を水にさらし、日干しする必要があります。
イスラエルの石造りの家の屋上は、アマのかっこうの貯蔵場所でした。ラハブはごく自然な屋上のアマの物陰に、イスラエル人の斥候を隠しました(ヨシュア2章4節)。彼女は知恵を用いてイスラエル人を救い、自らの家族の命を救い出しました(ヨシュア6章25節)。
 
(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)

 

2022/02/21

2022年2月27日の聖書日課

(写真:アセビ)
ヘブル2:1-4
 2:1 こういうわけだから、わたしたちは聞かされていることを、いっそう強く心に留めねばならない。そうでないと、おし流されてしまう。
 2:2 というのは、御使たちをとおして語られた御言が効力を持ち、あらゆる罪過と不従順とに対して正当な報いが加えられたとすれば、
 2:3 わたしたちは、こんなに尊い救をなおざりにしては、どうして報いをのがれることができようか。この救は、初め主によって語られたものであって、聞いた人々からわたしたちにあかしされ、
 2:4 さらに神も、しるしと不思議とさまざまな力あるわざとにより、また、御旨に従い聖霊を各自に賜うことによって、あかしをされたのである。

(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)
 

2022/02/20

聖書の植物~レンズマメ

「そこでヤコブはパンとレンズ豆の
あつものとをエサウに与えたので、
彼は飲み食いして、立ち去った。」
(創世記25章34節)

 レンズマメは西アジア原産の豆です。「レンズ」の語源でもあり、レンズのような丸い平べったい形をしています。世界最古の栽培植物の一種で、現代でもあつもの(煮込み料理)の食材として世界中で食されています。
 エサウとヤコブは対照的な性格の兄弟でした(創世記25章27節)。エサウは一時の飢えを満たすためにレンズマメにあつものを取り、ヤコブは将来に亘る長子の特権を取りました。しかし、二人の生涯は人の思惑を超えた、神の導きにより定められていました(ヘブル11章20節)。

(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)