御国が来ますように。(マタイ6章10節)
イエス・キリストはしばしば「神の国(天国)」について教えられました(マタイ13章31節)。宣教開始の第一声も「悔い改めよ、天国は近づいた」でした(マタイ4章17節)。いわば神の国はキリストのメインテーマでした。
主の祈りの願い事は、「御名をあがめさせたまえ」から始まっている通り、神についての願い事が前半部分に置かれています。このことは、「まず神の国と神の義とを求めなさい」(マタイ6章33節)と言われたキリストの教えにも共通することです。他の願いは神の国に加えて与えられると約束されています。
神の国はこの世の国とは異なります(ヨハネ18章36節)。またこの世の国々の栄華と比較できるものではありません(マタイ4章8節)。いやむしろ、この世の富と比較にならないほど高価なものです(マタイ16章26節)。キリストは、この神の国を求めるように教えているのです。
神の国を支配する者は神ご自身です。神の国を求める者は、神の支配に服することになり、神の大いなる力に従うことで人生の守りと導きを得ることができます。キリストはこのように約束しています。「こころの貧しい人たちは、さいわいである、天国は彼らのものである。」(マタイ5章3節)
(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)