ローマ6章5節をお読みします。
もしわたしたちが、彼に結びついてその死の様にひとしくなるなら、さらに、彼の復活の様にもひとしくなるであろう。
イースターは「彼の復活」、すなわちイエス・キリストの復活を祝うキリスト教の祭りです。このイースターの本来の意義を表現するために、いのちの象徴である卵やウサギがイースター飾りとして用いられています。
ローマ6章では、イースターの意義を伝えるために別のたとえが用いられています。それは「バプテスマ」(ローマ6章3節)であり、別名を洗礼と言います。教会では、信仰を得て教会員になること、すなわちクリスチャンとなるために洗礼という儀式を行います。洗礼はキリストご自身も受けられて、後に続くクリスチャンの模範を示しています(マタイ3章13~17節)。
このように、洗礼はキリストの生き様にならって、キリストに従う弟子となることを意味します。それと同時に、洗礼はキリストの「死の様」、すなわち十字架の死にも従うことを意味します。クリスチャンは洗礼を受けることによって、罪人である自分に死ぬ決意を示すことになります(ローマ6章11節)。
キリストは弟子たちにこう言われました。「だれでもわたしについてきたいと思うなら、自分を捨て、自分の十字架を負うて、わたしに従ってきなさい。」(マタイ16章24節)このキリストの言葉に従うクリスチャンには、キリストと同じいのちに与ることが約束されています。それこそがキリストの復活のいのちです。洗礼を受けた者は必ず水の中から引き上げられます。その後は、キリストから与えられた「新しいいのち」(ローマ6章4節)によって新しい生涯を歩み始めます。
今年のイースターの機会に、私たちはいのちの源であるキリストに結びつけられて、実りある生涯を歩み出してまいりましょう(ローマ11章17~18節)。
ご一緒にお祈りいたしましょう。
天の父なる神様。私たちは今日、新しいいのちに満ち満ちたイエス・キリストの復活を祝うことができました。過去の暗い、罪深い生活から離れて、キリストの新しいいのちの源である十字架を見上げて歩み出します。尽きることのない天からの恵みを豊かに注いでください。
イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。
(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)