列王紀下7章9節をお読みします。
われわれのしている事はよくない。きょうは良いおとずれのある日であるのに、黙っていて、夜明けまで待つならば、われわれは罰をこうむるであろう。
列王紀下7章の前後(6章24節~7章20節)では、イスラエルの国が敵国スリヤに攻められ、その後解放されたことを記しています。イスラエルの都サマリヤは兵糧攻めされて食糧不足に陥りましたが(列王紀下6章24~31節)、預言者エリシャが語った神の言葉の通り、敵が戦場から逃げ去って食糧不足が解消しました(列王紀下7章14~16節)。
エリシャが伝えた神の言葉に対し、イスラエルの王は疑ってかかり(列王紀下7章12節)、王の副官は「そんな事がありえようか」と言って、神の救いの約束を受け入れませんでした。後に、この副官は神の救いに与ることができませんでした(列王紀下7章17~20節)。
他方、神の言葉はつゆ知らず、飢えて捨て鉢になった4人の病人たちが敵陣に乗り込みました。すると、敵陣はもぬけの殻であり、病人たちはそこで食糧や金銀を見つけて有頂天になりました(列王紀下7章3~8節)。しかし、彼らは我に返り、このように語り合います。「きょうは良いおとずれのある日」だと。そしてその言葉の通り、彼らはイスラエルの国に良いおとずれ、敵からの救いを伝えました。
このことは、聖書が繰り返し語っている「福音」の内容を端的に示しています。今日も聖書の語る「良いおとずれ」、福音に耳を傾けてください。「もしあなたがたが、いたずらに信じないで、わたしの宣べ伝えたとおりの言葉を固く守っておれば、この福音によって救われるのである。」(コリント第一15章2節)
ご一緒にお祈りいたしましょう。
天の父なる神様。聖書は私たちに良いおとずれを、神の救いを告げる「福音」を伝えています。私たちが聖書を開く時、いつも福音の言葉を見出すことができ、その言葉に従うことができますように。私たちに、善に従う素直な心を与えてください。
イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。
(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)