箴言3章3節をお読みします。
いつくしみと、まこととを捨ててはならない、それをあなたの首に結び、心の碑にしるせ。
箴言は、イスラエルの王ソロモンをはじめとする指導者が民を教育するために収集した知恵の書物です(箴言1章1~4節)。それは、世の中をうまく生きていくための知恵に留まらず、神と人との前に正しく生きるための戒めをも含むものです(箴言3章4節)。
ですから箴言は、他人を出し抜いていかに利益をつかむか、ということを教えません。悪事や偽りに手を染めることを戒め、善とまことを守るべきことを教えています(箴言14章22節)。「欺き取ったパンはおいしい、しかし後にはその口は砂利で満たされる。」(箴言20章17節)と言われています。
また、箴言は自己中心に陥ることを戒めています(箴言3章5節)。厳しく自己研鑽に励んだとしても、結果として自信過剰となって他人の言葉に耳を貸さず、周りが見えなくなってしまうのはよくありません(箴言25章16節)。神を信じることは、信仰以外のことが見えなくなることではありません。信仰とは神の知恵を発見することであり、自らが行くべき道をはっきりと悟ることです(箴言3章6節)。
箴言をはじめとする聖書の御言葉に学ぶことは、神の前にも人の前にも正しい知恵を得ることであり、神からも人からも慕わしく思えるような生き方を学ぶことです(ルカ2章52節)。聖書が約束している「いつくしみとまこと」をしっかりと目指して御言葉を学び続けましょう。
ご一緒にお祈りいたしましょう。
天の父なる神様。現代はおびただしい情報や、様々な人々の宣伝する言葉に満ちあふれています。利益に目をくらまされ、人の道を外れたことを教える言葉に惑わされることがありませんように。まことの道を示し、神の前にも人の前にも正しい生き方を教え導いてください。いつくしみとまことによって私をお守りください(箴言16章6節)。
イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。
(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)