2023/02/19

2023年2月19日3分メッセージ



 ルカ9章12節、13節をお読みします。
それから日が傾きかけたので、十二弟子がイエスのもとにきて言った、「群衆を解散して、まわりの村々や部落へ行って宿を取り、食物を手にいれるようにさせてください。わたしたちはこんな寂しい所にきているのですから」。しかしイエスは言われた、「あなたがたの手で食物をやりなさい」。

 キリストと十二弟子(使徒)たちはベツサイダという小さな町にやってきました。それは弟子たちが福音宣教の働きから帰ってきてすぐ後のことで、群衆から離れてひそかに休憩を取るためでした。ところが人々はキリスト一行を見つけて、集まってきました。キリストは彼らを拒むことなく、宣教の働きを継続しました(ルカ9章6、10~11節)。
 キリストの宣教活動は夕暮れまで続きました。弟子たちはキリストを心配して、群衆の解散を提案しましたが、キリストは「あなたがたの手で食物をやりなさい」という思いがけない返事をしました。ここから、有名な「五つのパンと二ひきの魚」の奇跡が行われました。この出来事は四つの福音書に記されています(マタイ14章、マルコ6章、ヨハネ6章)。
 キリストはこの出来事で、人々のおなかを満たすことよりも重要なことを教えようとしています。それは、「あなたがたはわたしをだれと言うか」(ルカ9章20節)ということです。群衆の多くは満腹になって帰っていきました。しかし、キリストが常に教え続けていた「神の国」(ルカ9章11節)のことを注意深く聞いた人々、特にキリストと一緒に歩み続けた弟子たちには、この奇跡を通してはっきりと神の国の意味が示されました。それはキリストご自身が「命のパン」であり、人々に永遠の命をもたらすために教え導く方であるということです(ヨハネ6章51節)。日々、まことの命に至る道へと導かれるキリストに従ってまいりましょう(ヨハネ14章6節)。

 ご一緒にお祈りいたしましょう。
 天の父なる神様。私たちに日々、日ごとの食物を与えて生かしてくださることを感謝いたします(マタイ6章11節)。私たちに今日、歩むべき道をも導いてください。人生の道に迷いやすい私たちに、「神の口から出る一つ一つの言」(マタイ4章4節)をも与えてくださり、永遠の命への道を歩ませてください。
 イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。

(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)