2022/11/06

モーセの十戒 第六戒



 モーセの十戒の第六の戒め、出エジプト20章13節をお読みします。
あなたは殺してはならない。

 人殺しはあらゆる時代、あらゆる世界で大きな罪とされる行為です。しかし、あらゆる時代、あらゆる世界で人殺しは行われてきました。また、ある人々は「なぜ人殺しが悪いことなのかわからない」と言ったりもします。その問いかけに対し、聖書ははっきりと理由を示しています。それは、神が「殺してはならない」と命じているからです。
 聖書は、他の人々に悪を行わず、かえって善を行えと命じています(マタイ7章12節)。自分が良ければ良いという自己中心的な理由は認められません。「おのおの、自分のことばかりでなく、他人のことも考えなさい。」(ピリピ2章4節)と聖書は私たちに教え諭しています。
 さらに聖書は、人殺しの根本にある「憎しみ」の心そのものを戒めています(マタイ5章21~26節)。人殺しの行為だけでなく、人殺しの原因を取り除くことを聖書の神は命じているのです。第六の戒めは、「神は愛である」(ヨハネ第一4章8節)といわれる神の愛の心を示しています。神の愛は人を生かします(ヨハネ第一4章9節)。

 ご一緒にお祈りいたしましょう。
 天の父なる神様。「愛には恐れがない。完全な愛は恐れをとり除く。」(ヨハネ第一4章18節)と私たちは御言葉により教えられています。人間に対する悪を取り除くために、善なる神の愛を受け取ることができますように。人を生かす愛によって私たちを満たしてください。
 イエス・キリストのお名前によってお祈りします。アーメン。

(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)