2022/01/30

聖書の植物~アネモネ

 「野の花のことを考えて見るがよい。
…ソロモンでさえ、この花の一つほど
にも着飾ってはいなかった。」
(ルカ12章27節)

 福音書で「野の花」と訳されている言葉は、原語のギリシャ語では「ユリ」を意味します。しかし、キリストが弟子たちに示されたイスラエルの草原を想像すると(ルカ12章22~40節)、ユリだけでなくアネモネ、ヒナゲシ、ラナンキュラス、チューリップやシクラメンなどが春の野を彩っている様子を見ることができます。
 イスラエルは冬が雨季で、夏は乾季になります。多くの草花は乾季を種や球根の姿で耐え忍び、雨季を経て春に一斉に野を花で飾ります。その美しさは人の栄華に比べることができません。そこには神の美が表現されています。

(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)