2021/11/28

聖書の植物~イナゴマメ

「彼は、豚の食べるいなご豆で腹を満たしたいと
思うほどであったが、何もくれる人はなかった。」
(ルカ15章16節)

 イナゴマメは地中海沿岸原産の植物です。新約聖書のギリシャ語では「ケラティオン(角豆)」と言います。豆のさやに甘みがあり、古代から甘味料や家畜のえさとして用いられました。英語では「キャロブ(carob)」と言い、栄養豊富な健康食品として注目されています。
 キリストのたとえ話(ルカ15章11~32節)の放蕩息子が飢えた時に目に止まったものが、家畜のえさであったイナゴマメでした。それは、有用であるにも関わらず軽んじられた、家出した放蕩息子自身の姿を表すものでした。

(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)