詩篇136篇1節をお読みします。
主に感謝せよ、主は恵みふかく、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。
詩篇は、聖書の神に対する賛美歌を集めたものです。私たちは詩篇の言葉から、聖書の神を主と呼んで信じ、従う人々の心に触れることができます。
詩篇136篇は、神に対する感謝の言葉が歌われています。感謝する根拠を並べて挙げて、それらの事柄すべてに神の恵みといつくしみを見出して、そして心からの感謝をもって神を賛美しています。
この詩篇の歌い手は、「もろもろの神の神」(詩篇136篇2節)というような、神の性格を説明する名前を挙げています。また、その名前の通りに、神は世界の歴史の中に生きて働いたことを挙げて(詩篇136篇10節)、さらに自ら体験した神の救いの業をも含めて(詩篇136篇23節)、それらすべてに「恵みといつくしみ」が一貫して働いていることを告白しています。
聖書は私たちに、「すべての事について、感謝しなさい。」(テサロニケ第一5章18節)と命じています。私たちは詩篇136篇から、感謝することの秘訣を学ぶことができます。それは、私たちの全生涯の中から感謝すべきことを見出すことができること、また全生涯に一貫して流れている「神の恵み」を見出すことができることです。
私たちは様々な問題に直面したり、また感謝できないような苦しい体験をすることがありますが、後になってそのような苦しい体験にも感謝すべきことがあったことを知ることがあります。また信仰というものは将来を見通す力でもあります。今は「神の恵み」を見出すことができなくても、いつくしみ深い神は必ず私に恵みを注いでくださる、と信じて将来に臨むことができます。ですから、聖書は「すべての事について、感謝しなさい。」と語っているのです。
「主に感謝せよ、主は恵みふかく、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない。」決して尽きることのない神の恵みがあります。神の恵みに支えられて、今日という日を過ごすことができますように。
神の恵みを求めて、ご一緒にお祈りいたしましょう。
天の父なる神様。聖書の神に向けられた賛美歌は古来より現在に至るまで尽きることがありません。その賛美の流れに私たちも加わることができますように。主の恵み深さを味わいつつ、神に賛美をささげることができますように。
イエス・キリストのお名前によって祈ります。アーメン。
(日本聖書協会『聖書 口語訳』1955年版)