2024/06/13

聖書の教理~(10)人間の性質

 聖書は人間の起源が神によることを語っています。神は、天地創造にあたって人間を「神のかたち」にかたどって創造し、地を治めさせました(創世記1:26-28)。人間には神の特別な愛顧と祝福がありました。

 しかし、人間は神の定めに背いて罪を犯し、神の園エデンから追放されてしまいました(創世記3章)。その時から、人間の本質的な性質である「神のかたち」がゆがめられてしまいました。

 良心(テモテ第一1:5)が汚れた良心(テトス1:15)に、知恵(ダニエル2:21)が腐った知恵(詩篇14:1)に、永遠の生命(ダニエル12:2)が束の間の生命(ハバクク2:10)に、獣を支配する者(創世記1:28)が獣にひとしく(詩篇49:20)なってしまいました。人間は自らの罪により、神の性質である「神のかたち」を損ない、失ってしまいました。

 イエス・キリストによる救いのわざの一つが、私たちの「神のかたち」を回復させることです。「彼(キリスト)は、万物をご自身に従わせうる力の働きによって、わたしたちの卑しいからだを、ご自身の栄光のからだと同じかたちに変えて下さるであろう。」(ピリピ3:21)

参考資料:
日本聖書協会「聖書 口語訳」1955年版
マイヤー・パールマン「聖書の教理(上)」福音出版社(1981年)