2024/04/25

聖書の教理~(3)聖書の霊感

 聖書はこのように自ら主張しています。「聖書は、すべて神の霊感を受けて書かれたものであって、人を教え、戒め、正しくし、義に導くのに有益である。」(テモテ第二3:16)「霊感」という言葉は聖書において、「人間の意志から出たものではなく、人々が聖霊に感じ、神によって語った」(ペテロ第二1:21)ことを意味します。

 前回の学びの「聖書の証言」も踏まえると、聖書の霊感の特徴として次の事項が挙げられます。a)神に由来するものであり、人に由来するものではない(マタイ16:17)。b)個別的に明示するものであり、一般的な情報を示すものではない(コリント第一2:4-5)。c)人の心に生きて働くものであり、当たり障りのないことに留まるものではない(ヘブル4:12)。d)完全であり、不完全ではない(詩篇19:7)。e)聖書の言葉の一点一画まで及び、聖書を特徴づけている(マタイ5:18)。

 聖書の言葉は神の意志を表明したものであり、聖書の言葉が成就することによって神の意志がこの世に実現します。このような理解をもって聖書を読むとき、私たちは行くべき人生の道を確かに見出すことができます。「あなたのみ言葉はわが足のともしび、わが道の光です。」(詩篇119:105)

参考資料:
日本聖書協会「聖書 口語訳」1955年版
マイヤー・パールマン「聖書の教理(上)」福音出版社 (1981年)